経済・経営に関する情報をご紹介するページです。
東日本大震災と原子力発電所事故、そしてその復興は、今年の日本の最大の問題となりました。まだまだいろんな課題が残されていますが、エネルギー政策ひとつをとっても、日本だけでなく世界、人類に影響を与えるものとなっています。
12月24日に決定された24年度予算案は、一般会計の総額のうち借金が占める割合が49%と過去最悪になるとのこと。それは全方面に亘り論議を集めていますが、その中をみると、この国のエネルギー政策の方向性を覗くことができるようです。
中長期的には、原子力政策の見直し、電力システムの改革、資源・エネルギー安定供給体制の抜本的強化や、持続可能な省エネルギーの実現に向けた取組や再生可能エネルギーの導入を進めるとともに、最適なエネルギー管理を行う「スマートコミュニティ」などを進め、「安全性」と「安定供給」「経済効率性」「環境適合」を確保したエネルギーの新たなベストミックスを構築することを目指すものとなっています。
(1)電力需給対策とエネルギーの有効利用
(再生可能エネルギーをはじめとした新たなエネルギー産業の創出)
◇主な事業例
①電力需給対策(省エネルギー対策を含む。)
・ガスコージェネレーション推進事業費補助金
・民生用燃料電池(エネファーム)導入支援補助金
・住宅・建築物のネット・ゼロ・エネルギー化推進事業
・エネルギー使用合理化事業者支援補助金
・クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金
・温室効果ガス排出削減量連動型中小企業グリーン投資促進事業費補助金
②再生可能エネルギーの抜本的拡大
・次世代太陽光発電技術等の研究開発
・次世代風力発電技術等の研究開発
・リチウムイオン電池応用・実用化先端技術開発事業
・地熱資源開発調査事業
・小水力発電導入のためのモデル事業
・地域水素供給インフラ・技術社会実証による課題解決
③「スマートコミュニティ」の構築・普及
・スマートコミュニティの実証など普及促進事業
(2)原子力政策の見直しと電力システム改革
◇主な事業例
・原子力発電所の安全性向上のための研究開発
(3)資源・エネルギー安定供給体制の抜本的強化
◇主な事業例
①上流権益の獲得の強化
・探鉱・資産買収等出資事業出資金
・国内石油天然ガス基礎調査
・メタンハイドレート開発促進事業
・海底熱水鉱床開発技術調査等事業
②レアメタル・レアアースの安定供給体制の構築
・共同資源開発基礎調査事業
・希少金属代替材料開発プロジェクト
・リサイクル優先レアメタルの回収技術開発事業
・高効率モーター用磁性材料技術開発
③国内エネルギーの供給網の再構築
・災害に強い燃料供給体制の整備
④地熱資源の開発促進
・地熱資源開発調査事業
消費税論議の行方から、この年末バタバタと民主党を離脱する議員がでたようですが、原子力発電の問題に限らずこの国の方向は、どちらに向いているのでしょうか? ただ、来年こそは、国民にとって良い年であることを祈りたいと思います。