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この夏、繁華街・公共施設に限らずどこを訪れても、電車や公共交通機関に乗っても、節電を強く感じる毎日です。そんな中で、2011年7月20日に、『電力需給に関する検討会合』において、『西日本5社の今夏の需給対策について』が取りまとめられました。この組織は、東北地方太平洋沖地震の影響による電力供給不足に対して、政府としての対応を総合的かつ強力に推進するために設置された『政府電力需給緊急対策本部』が、2011年5月16日をもって改組されたものです。以下、節電というものの現状を知り、また私たちが節電を意識することに役立てばと願っています。
◇西日本5社の今夏の需給対策について ~『政府節電ポータルサイト』より~
1. 東北・東京・中部の状況
(1)東北・東京電力については、震災による供給力減に対応し、供給力の追加措置を講じる一方、「夏期の電力需給対策について」(5/13 電力需給緊急対策本部決定)に基づいて、▲15%の目標を掲げ、需要抑制に取り組んでいる。
(注1)東京電力の供給力は、西からの融通100 万kW を織り込まなくなった一方、自家発電からの購入増、揚水の復旧等による供給力追加措置により、5,470 万kW(予備率▲8.8%)。東北電力の供給力は、1,382 万kW(予備率▲6.6%)。
(注2)予備率を算定する前提とした最大電力需要は、平成22年度夏ピーク(1日最大値)をベースに「夏期の電力需給対策について」で定めたもの。
(2)中部電力については、浜岡原子力発電所の全号機停止に対応し、供給力の追加措置を講じた結果、予備率は3.2%。最低限必要な3%は上回っているが、通常必要とされる8%以上の水準となっていないことから、国民生活及び経済活動に支障を生じない範囲で節電に取り組んでいる。
2. 西日本における今夏の需給見通し
(1)西日本5社(関西・北陸・中国・四国・九州電力)については、定期検査等を終了見込みの原子力発電所が再起動すれば、予備力10%前後となるが、再起動できない場合、西日本5社合計で予備率が▲2.3%となる。
(2)これに対し各社は、水力及び火力の補修作業時期の変更や自家発からの購入増などの供給力追加措置に取り組んできた。この結果、西日本5社全体で予備率は1.7%、60Hz エリア(中西6社)全体での予備率は2.1%を確保できる見通しが立っていたところである。
(3)しかしながら、関西電力大飯原子力1号(118万kW:調整運転中)が7月16日に、さらに中国電力三隅火力(100万kW)が7月18日に、トラブルで停止したことにより、西日本5社全体で予備率は▲1.2%、60Hz エリア(中西6社)全体での予備率は0.0%となる。
(4)各電力会社個々は、以下のとおり。
① 関西電力が、大飯原子力発電所1号機の停止に加え、高浜原子力発電所4号機(7/21)、大飯原子力発電所4号機(7/22)が定期点検で停止するが、これに加えて、三隅火力発電所の停止に伴い中国電力からの融通が見込めない場合、予備率は▲6.2%となる。
② 他社は、予備率はプラスとなっているが、四国電力(予備率4.0%)以外は最低限必要な予備率3%を下回る。(北陸電力2.0%、中国電力2.8%、九州電力2.1%)
3.西日本の今夏の需給対策の基本的考え方
西日本の電力管内において、以上の状況を踏まえ、需給逼迫による停電の発生を回避するため、以下の対応を行う。
(1)供給面
①引き続き、自家発の活用等、供給力の積み増し努力を続けていく。
②また、日々の電力系統の運用において、各社の需給状況を踏まえつつ、更に機動的な相互の融通を行うことで、需給が逼迫する地域(特に関西電力管内)の需給バランスを確保できるような対応を行う。
(2)需要面
①関西電力管内における取組
ⅰ)関西電力管内(別紙4)においては、これまで、管内の自治体又は自治体の連合により節電に対する積極的な取組みがなされてきたところであり、また、関西電力による節電要請も行われてきたところである。
こうした取組がなされている中で、今般の供給力低下の新たな事態を迎え、発電所のトラブル等のリスクも考慮し、今夏のピーク期間・時間帯(目安は、7月25日から9月22日の平日の9時から20時)において、全体として▲10%以上を目途に節電に取り組むこととする。この具体的な節電への取組みに当たっては、上記管内自治体等の取組みを十分踏まえて行うものとする。
※関西広域連合ではピーク時10%の節電を呼びかけ、傘下の各県においても具体的な呼びかけを行っている。また、奈良県では10%超、福井県では10%以上の節電の呼びかけを行っているなど、各自治体が節電に取り組んできている。
ⅱ)節電に当たっては、使用最大電力(kW)の抑制を基本として、国民生活及び経済活動への影響を最小限とするように取り組む。この観点から、生命・身体の安全確保に不可欠な施設や、安定的な経済活動・社会生活に不可欠である一方、電力の使用形態から一律適用が困難な施設等については、東京・東北電力管内における電気事業法第27条の適用に当たっての制限緩和措置の考え方も参照して、それぞれの事情を勘案した節電に取り組む。
②他の電力の管内については、国民生活及び経済活動に支障を生じない範囲での節電(具体的には、照明・空調機器等の節電など)に取り組む。
③政府の地方支分部局及び政府関係機関においては、「夏期の電力需給対策について」(5月13日電力需給緊急対策本部決定)で定めた「政府の節電実行基本方針」に掲げる「節電に係る具体的取組」を参考として、節電に率先して取り組む。
④政府としては、以下のような支援・広報活動を行う。なお、電事法第27条の発動による需要抑制は行わない。
i)事業者(大口・小口需要家)向けには、「夏期の電力需給対策について」で示した節電行動計画の標準フォーマットを活用して具体的な「節電アクション」
をわかりやすく示すとともに、節電ポータルサイトの活用を図る等支援・広報活動を行う。
ii)家庭向けには、「夏期の電力需給対策について」に基づく「節電対策メニュー」を活用した広報活動を行う。
⑤電力需給の逼迫が予想される場合には、需給調整契約の最大限の活用による大口需要家等への需要抑制や、政府から一層の節電を依頼する「需給ひっ迫のお知らせ」による情報提供を行う。
◇◆オフィスビル・法人向け節電対策
1.執務エリアの照明を半分程度間引きする。
2.使用していないエリア(会議室・廊下等)は消灯を徹底する。
3.執務室の室内温度を28℃とする。
(または、風通しなど室内環境に配慮しつつ、28℃より若干引き上げる。)
4.使用していないエリアは空調を停止する。
5.長時間席を」離れるときは、OA機器の電源を切るか、スタンバイモードにする。
6.ク-ルビズ等節電ビズの採用・一層強化
7.空調時喚起量の調整(今より少なくする)
8.建物の遮熱性向上(遮熱フィルム、ブラインド等)
9.LED照明や省エネ型蛍光灯への取替
10.給茶器、温水洗浄便座、エアタオル等の利用停止 …。