フリーダイヤル 0120-110-990
  1. ホーム
  2. ニュース
  3. 企業情報
  4. 業務案内
  5. お問い合わせ
  6. 個人情報保護方針
  7. スタッフ募集

ニュース

トピックス

経済・経営に関する情報をご紹介するページです。

新会社法施行 ~有限会社について~

この5月1日より、会社法が施行されました。これに伴い、皆様方の会社登記簿にも『取締役会設置会社』『監査役設置会社』、あるいは有限会社に『発行可能株式総数』である等の新しい登記事項が、法務局登記官の職権で記載されています。あらたに登記事項証明書をとってみて驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、有限会社について取り上げてみます。

Q1 有限会社はどうなるのでしょうか?

A1 5月1日より有限会社法が廃止されます。これに伴い、有限会社という会社類型はなくなりますが、有限会社は新会社法上の株式会社として存続可能となります。つまり、有限会社という文字を引き続き用いた株式会社となり、『特例有限会社』と名づけられています。株式会社である以上、『持分、社員、社員総会、社員名簿』ではなく、『株式、株主、株主総会、株主名簿』という名称に変更されます。

Q2 特例有限会社の登記簿の記載に変更はあるのでしょうか?

A2 以下のような変更がなされるようです。

(1)追加される登記事項・公告をする方法  官報に掲載してする
・発行可能株式総数 ○○株
・発行済株式の総数 ○○株
・株式の譲渡制限に関する規定
(2)抹消される登記事項・出資1口の金額
(3)変更される登記事項名・資本の額→資本金の額
・存立時期→存続期間
Q3 特例有限会社が通常の株式会社に移行するには?

A3 株主総会を開き、『株式会社』という文字を用いた商号にする定款変更決議を行います。そしてその登記を行うことが必要となります。なお、この登記手続きは、有限会社については解散の登記、商号変更後の株式会社については定款を添付して設立の登記を行います。また、この場合の問題点として以下があるようですのでご注意ください。

  1. 従来の有限会社法では役員の任期はありませんでした。が、この登記により定款に記載された新しい役員の任期が適用されることになります。そして、その任期の起算点は商号変更前の役員就任時となります。ですから、創立時期の古い会社では、役員の任期が満了することが考えられます。この場合には、商号変更決議を行った株主総会で役員の選任を同時に行っておく必要があります。
  2. 従前の有限会社から株式会社への組織変更時には、純資産額の資本金維持が義務付けられていましたが、旧有限会社法のような純資産額填補責任は課せられることはありません。したがって、債務超過であってもそのまま引き継がれることになります。
Q4 その他、特例有限会社のおもな特徴は?

A4

  1. 株式譲渡制限は、登記簿に記載された譲渡制限(整備法第9条第1項)と異なる定めは認められません。
  2. 株主総会の特別決議要件が、通常の株式会社と異なります。具体的には、総株主の半数以上であって、当該株主の議決権の4分の3以上の多数による賛成となります。
  3. 取締役と監査役以外の機関(取締役会、会計参与、監査役会、会計監査人、委員会)を設置することはできません。
  4. 取締役、監査役に任期がありません。
  5. 監査役を設置しても、その業務範囲は会計監査に限定されます。
  6. 決算公告義務がありません。
  7. 特別清算の規定の適用がありません。
  8. 吸収合併や吸収分割の際に存続会社になれません。
  9. 株式交換、株式移転をすることができません。
  10. 社債を発行することが可能です。

2006/05/05