新緑が美しく、過ごしやすい季節となりました。皆さまゴールデンウィークは、いかがお過ごしでしたか？

私は知人からお誘いを受けて、｢市民と大学生の交流｣をテーマとしたお茶会に参加してまいりました。

正式な名称は『待兼茶会』、場所は大阪大学豊中キャンパス。阪急石橋駅から大学構内を散策風にゆっくり１５分ほど歩き、会場である図書館前の波高庭園に到着。庭園あたりには和服姿の方が多く、野点らしい雰囲気となっていました。ただし、参加者は服装も自由で、またイス席で正坐する必要もなく、手軽な参加しやすいものです。

庭園入口で参加費500円を支払うと、紙を手渡してくれました。少し混んでいたのか待ち時間があり、その待ち時間にちょうど良いように、俳句・短歌・英語名訳迷訳コンテストの用紙でした。大阪大学茶道部主催とのことで、『アカデミック茶会』とサブタイトルに銘打っているだけあります。

突然の慣れぬ投句にしばらく悪戦苦闘していると、和服姿の女性から「どうぞ、こちらへ」とやわらかい案内の声がかかりました。

　　　「　松風の　帆にはとどかぬ　夕霞　」

句の短冊が添えられた野点傘と茶道具並ぶ前に座り、蓬入りの柏餅のお菓子、そしてお抹茶お薄をいただきました。庭園の新緑に映える和傘の真紅は鮮やかで、男性茶道部員のキリッとした袴姿と女性部員の華やかで優美な和装の立居振舞いが印象的です。また虚無僧による流しの尺八の演奏があり、和空間の風情をより豊かに楽しませてくれました。

意外と綺麗だなぁ…と思った大学構内、お茶会・野点、伝統文化、と普段なかなか味わえない雰囲気に浸り、爽やかな薫風に包まれた新鮮な五月のひと時となりました。