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経済・経営に関する情報をご紹介するページです。

円高への対応策

9月20日、経済情勢に関する検討会合が、「円高への総合的対応策(仮称)」を発表しました。市場では、21日の東京外国為替市場で一時1ドル=76円10銭台と同市場での最高値を更新し、ニューヨーク外国為替市場で1ユーロ=103円70銭と約10年ぶりの円高水準となりました。自動車や電機等の主力輸出メーカーのにとって、1円の円高で数十億円から数百億円の利益が圧縮されるとのことで死活問題となっています。東日本大震災のショックからようやく立ち直りつつある日本経済にいま、円高が大きな影響を与えています。

欧米経済は、2008年のリーマン・ショック以降の世界金融危機の後遺症に加え、その後の経済政策も効果なく、景気停滞感が鮮明でした。さらに、金融・資本市場の統合により、欧州の政府債務危機、財政金融システムの危機に蝕まれていて、そういった欧米経済の長期停滞懸念が世界的に拡散感染するのではという不安、欧州の政府債務危機の再燃、米国の政府債務上限引上げ問題などから、投資家のリスク回避姿勢が反映し、為替・金融・資本市場が大きく変動している状態です。

東日本大震災により落ち込んだ日本経済は、半年余りを経て復興需要で高い成長となることが期待されていますが、この立ち直りつつある中で、急速な円高の進行・高止まり、さらには欧米経済の危機感の高まりが、景気回復を阻害するものとなっています。また、国民に先行きに対する不安も相俟って、緩やかながらも依然としてデフレ状況にあります。円高の進行がデフレを強め、また、逆にデフレが円高をもたらすという悪循環に陥ることのないよう対処していく必要があります。

以下、その「円高への総合的対応策」より。

◇◆具体的対応策

1.円高による「痛み」の緩和

(1)雇用の創出・下支え
・重点分野雇用創造事業の基金の積増し・延長
・3年以内の既卒者採用・トライアル雇用の奨励金の延長、基金の積増し
・円高に対応した雇用調整助成金の要件緩和
・失業者・雇用者の職業訓練支援の拡充
・高校生修学支援基金の延長
(2)円高で苦境に陥っている中小企業への金融支援等の拡充
・セーフティネット保証の延長
・セーフティネット貸付の拡充
・自己資本が毀損した中堅企業等の資本充実策
(3)震災と円高のダブルパンチに苦しむ観光の支援
・訪日旅行者数の早期回復のため、重点的な訪日旅行者誘致プロモーション、国際会議キャンセル防止対策、民間・自治体との訪日旅行者誘致に向けた連携強化等に取り組み
(4)農林水産業の「痛み」の緩和
・路網整備や間伐等による国産材の競争力強化
(5)復興需要の早期発現
・災害廃棄物処理の目標(今年度末までを目途に仮置場へ移動等)の迅速・確実な達成

2.リスクに負けない強靭な経済の構築

(1)立地補助金の拡充等による競争力の強化
・立地補助金の思い切った拡充
・平成23 年度税制改正法案に盛り込まれた法人実効税率引下げの実施確保
(2)省エネ・新エネ導入支援の強化による需要の前倒し
・「節電エコ補助金(仮称)」の創設によるリチウムイオン蓄電池(定置用)、エネルギー管理システム(BEMS、HEMS)、
高効率ガス空調設備、住宅用太陽光発電システム等の導入補助、及び自家発電設備の導入補助
・住宅エコポイントの再編・再開
(3)世界オンリーワン企業・技術の育成
・中小企業のものづくり技術力強化
・材料分野等における東北地方への産業集積加速
(4)世界市場への挑戦の支援
・中小企業の海外市場開拓支援
・インフラ・システム輸出促進策
(5) 総合特区の推進等による国際競争力の強化
・国際戦略総合特区等の年内第1回指定
・アジア拠点化推進のための法整備、プログラムの策定
(6) 国内立地企業が直面する苦難への取組
・新たな成長に向けた戦略(経済連携、革新的エネルギー・環境戦略等)の再強化
・震災後の新たな社会経済を構築し、震災以前よりも力強い新しい日本へと再生するため、必要な規制・制度改革を強力に推進

3.円高メリットの徹底活用

(1)円高メリットの活用による海外M&A、資源確保等
・「円高対応緊急ファシリティ」の積極活用、リスクマネー供給の拡充等による海外M&A、資源・エネルギーの確保・開発の促進
(2)日本人学生の外国派遣と高度人材等の受入れ
・高校生・大学生等の国際交流(日本人学生の外国派遣、外国人学生の招聘)
・円高メリットとポイント制年内導入を通じた高度人材受入れ
(3)円高メリットの「見える化」の促進
・公共料金(例えば、電気・ガス料金)における円高メリットの「見える化」
・円高メリットに関する消費者緊急意識調査の実施・公表

2011/09/30