経済・経営に関する情報をご紹介するページです。
インターネットからしか申請できないということで話題になりましたが、米国国土安全保障省(DHS)による電子渡航認証システム(Electronic System for Travel Authorization: ESTA)が、2009年1月12日より開始されました。
この新しいオンラインシステムは、ビザ免除プログラム(VWP)の一部とのことで、米国に短期商用・観光目的(90日以下)で旅行するすべてのVWP渡航者に対して、米国行きの航空機や船に搭乗する前にオンラインで渡航認証が義務化されました。そもそも、ビザ免除プログラムに基づき米国に渡航しようとしている旅行者は、現在は強化された安全基準を遵守することが求められていて、この認証を受けることが要求されます。この認証を受けていないと、米国行きの航空機等への搭乗や米国入国を拒否されるとのことです。
『米国電子渡航認証システム ウェブサイト』によりますと、この申請には以下の4つのステップがあります。
1.申請書の入力
2.申請書の送信
3.申請番号の受領・記録
4.申請に対する回答の受領
日本語表記のサイトもありますが、入力自体は英語で行うようです。入力する内容は、これまで米国入国に際して提出していた出入国カードと同じで、氏名・生年月日・性別などの申請者情報、パスポート情報、渡航情報、その他いくつかの質問に対し、はい、いいえで答える形式となっています。
申請に対する回答は、ほぼ即座に表示され、それぞれのコメントを含めて以下の3種類があるとのことです。
1. 「渡航認証許可」
ESTAが承認されましたので、ビザ免除プログラムでの渡米が可能です。申請番号と有効期限が表示されていますので、このページを印刷して保存しておいてください(空港で提示する必要はありません)。
2. 「渡航認証保留」
ESTAは審査中です。再度ESTAサイトにアクセスし、申請状況を確認してください。回答は申請後72時間以内にご確認いただけます。
3.「渡航認証拒否」
ESTAは承認されませんでしたので、最寄の大使館・領事館でビザの申請が必要です。
このシステムが採用された契機は、2001年9月11日の同時多発テロです。それ以降、米国は危険人物の入国に敏感になっていて、搭乗者の事前確認を徹底して、渡航の安全を高めようとしています。実は、9.11後に行われた過去の出入国履歴調査によると、犯罪歴のあるような要注意人物が何万人もアメリカに入国していたことが判明したそうです。このオンラインによるESTA情報は米国国土安全保障省(DHS)のデータベースと照合され、法的措置が必要な人物や要注意人物でないかどうかが、即時に確認されるということです。
ESTAの申請自体は無料ですが、最近、第三者が無許可の模倣ウェブサイトを立ちあげて、情報提供料や申請手数料をとっているということで米国政府が注意を喚起しています。皆様も十分ご注意ください。