メンズファッション雑誌では時計やメガネがよく特集されます。オシャレポイントのアイテムとして、価格も含めて紹介されているのを目にします。レディースで言うと、宝石、指輪、イヤリングのような感じでしょうか？　特に、老舗ブランドのスタンダードスタイル製品の中には、永きに亘って人気を保ち続けているもの、いわゆるアンティークとして時代を超えて価値を認められている商品があります。

最近、ある事をきっかけとして、腕時計に価値を感じるようになりました。それは、時計をプレゼントされた事です。しかもそれが、私の生まれた年に発売された時計　―　正確な発売年は控えさせていただきますが　―　1960年代に発売された日本の老舗ブランドの男性用時計です。

現在の製品のように色々な機能が付いているわけではありませんが、シンプルで微妙な色合いがとてもおしゃれで、少し小さめの文字盤が女性の手首にも素敵に映えるのですよ！　まっ、この感覚は私自身の勝手な思いですが。

もちろん手動巻です。時計の右側に付いているリュウズを巻くことで時を刻んでくれます。現在ではほとんど見ることも行うことも無くなった不便な作業ですが、これが今の私にとって、とても大切な作業となりました。毎日毎日繰り返すうちに、時間を正確に、大切に使う意識を改めて芽生えさせてくれたようです。だから毎朝、やさしくしっかり巻きます。そして１日が始動…。

毎日毎日、起きて、出社して、仕事して、帰って、寝て…。時間にただ流されるままの連続だったかもしれません。横でそれを見ていた人からのプレゼントでした。何かに気づいてほしい　―　この想いもまたプレゼント。　そして、これも私が勝手にそう思っています。