ブログ…弊社秘書・スタッフの随想・メッセージ・独り言・・・。
私が公民館の企画委員になって早1年・・・振り返れば色々な講座のお手伝いをさせて頂きました。
子どもと一緒に実験をしたり、ものを作ったり、遊んだりの講座がメインでしたが、たまに当たる平日の講座は、人生の大先輩方が教えてくれる着物のリメイク、木目込み人形、パッチワーク・・・味噌作り、お料理教室などがあり、講義の合間合間に挟み込んでくれる豆知識やお話がとても楽しく、新鮮で、なるほど~と得した気持ちにさせてくれるものでした。
そして、先日、私が担当する最後の講座が運命的にも・・・と言いますか・・・詩吟講座でした。
詩吟とは、主に漢詩や和歌、俳句に節を付けて作者の心を歌うもので、お腹から声を出すことによって有酸素運動にもなると、健康の為、または趣味で高齢の方がされていることが多いのですが・・・私はその詩吟を小学五年生の頃から続けていた為、担当が発表された時には驚きました。
詩吟との出会いは、幼少の頃から習っていたエレクトーンの先生が詩吟を習い始めたことがきっかけで、歌のレッスンの時に軽く教わり、いつしか父に連れられ教室に通うようになったのが始まりです。
練習嫌いな私は、詩吟だったら歌うだけで良いからエレクトーンより楽チン♪という軽い気持ちで始めたのですが、歌うことがわりと得意だったため、練習はそこそこに、早くの段階で多くのコンクールで入賞できるようになりました。
詩吟の大会にも一応シーズンがあって、3月から始まる大阪府詩吟連盟の大会には毎年5千人以上の人が参加され、20会場に別れて競い合います。3月に一次、4月に二次、5月の三次審査を経て、勝ち残った400人で6月に決勝大会を行い、その中の一握りが大阪代表として、9月に行われる次の大会の出場権を獲得することができます。私はいつもその大会の上位入賞まで行くのですが・・・何せ努力家でないので、少し欲を出してやってみても本当に日々の努力の賜物のような方には負けてしまい、その時だけは苦い思いをしていました。
そんな感じで、毎年、大会の前だけ練習をし、だらだらと続けていた詩吟も母が病気になり、ぱたりとやめてしまいました。さすがに練習嫌いな私もやめてしまうとなると、何だか口寂しくて・・・気付くと口ずさんでいたり・・・やっぱり詩吟が好きなんだなと気付かされる日々でした。
特に、歳を重ねると、せっかくの自分の特技を人前で直ぐに披露出来ないことへの情なさや腹立たしさを感じるようになり、練習しないと勿体無いなぁと・・・コンサートや結婚式、華道の新年会、アメリカのホームステイ先のパーティーで歌った時の清々しい気持ちや感動を思い出し、もう一度以前の様に人前で歌いたいなぁと密かに練習を始めていた矢先でしたので・・・この公民館の講座は私にとって大変良いきっかけになりました。
また、偶然にも講師の先生が私のことを良く知っていてくれたこともあり、昔話に花が咲きました。今の時期ですと、ややシーズンオフになりますが、好きだった漢詩『九段の桜』『立山を望む』など、情景を思い浮かべ、作者の気持ちになってゆったりと・・・コンクールに追われるのではなく、心にゆとりを持って吟じていると幼い頃には全くなかった感情が湧いてきて、詩吟の良さを再確認することができます。
私とは腐れ縁のような存在・・・これからも長いお付き合いになりそうです。