ブログ…弊社秘書・スタッフの随想・メッセージ・独り言・・・。
窓から覗く景色が雪柳の花で一面真っ白に覆われると、あぁ今年も春がやって来たなぁと感じられます。 今年は例年とは違い、この時期、我が家は大忙し。二人の子供がそれぞれ小学校と中学校の卒業を迎えます。
小学校では既に学校の授業も終わり、文集作りや、卒業式のシュプレヒコールの練習、いよいよ迎える卒業に向けて、毎日様々な取り組みがあるようです。
その一貫として、去年より学校と地域とが一つになり実現したタイムカプセル・・・二十歳の自分に向けてのメッセージや思いを書いて、毎年恒例の成人の集いの時にみんなで開封するという企画があります。そのタイムカプセルの台紙を、私の娘が卒業生を代表してデザインさせて頂きました。
去年は子ども達の間で流行っていたマンガやキャラクターをメインに少し娘のカラーで描かせて頂き、これがこの先ずっと使われる予定になっていましたが・・・
一年経つと、誰でも描けるキャラクターでは面白くない、自分らしくて、みんなにも喜んでもらえるようなものに作り変えたいと・・・去年の絵では納得がいかず、娘は忙しい中、自ら頭を悩ませ始めました。
もうこのままでいいんじゃないの? 時間もないから描き直すならこのキャラクター描いておいたら? などという私の適当な言葉には振り向きもせず、締切間近のある日・・・ちょっと散歩してくる・・・と半分不機嫌になりながらもカメラを持って出ていきました。
暫くして、帰ってきた娘の顔からは、さっきとは打って変わって笑みが溢れていました。私はその表情を見て安心しました。もう彼女の頭の中では完成したんだなと・・・瞬時にわかりました。それからはとても早かったです。自分の撮ってきた写真を元に今まで悩んでいたのが嘘のように、あっという間に描き進めていきました。
そして出来上がったものは、地元の人だったら誰でも見たことのある学校や近所の風景、思い出をギュッと詰め込んだもので、卒業生であれば誰もが童心に戻れる何とも引き込まれる作品になっていました。
中央にある階段はこの学校の特徴でもある上校舎と下校舎を繋ぐ地下道の階段で、タコやイルカ、カメの壁面も本物そっくり!リアルに再現されていて、ここはみんなあっと一番に目を引く部分だろうなと思いました。
そして、この上には同じく上校舎と下校舎を地上で繋ぐ渡り廊下・・・そして、その左には職員室のある校舎の一角・・・ここも微妙ではありますがどこかで見たことあるなぁとワクワクした気持ちになってもらえる部分だと思います。
そして自動販売機の並んだお店は校門の前にある文房具屋さん! ノートがなくなった時やコンパスや縄跳びを忘れた時などハッとした時にいつも助けてもらいました。そしてこれも知らない人はいない、学校の帰りによく遊んだ近所の公園の石の滑り台、そしてその公園にある風化してのっぺらぼうになってしまった子ども飛び出し注意の看板・・・登下校している時も教室からでも、いつでもどこからでも見える駅前のタワーマンション・・・昔から決まって変わらない同じブランドの給食の牛乳・・・学校の正門でお出迎え平和の象徴、折り鶴のモニュメント!信号、電柱、標識一つ取っても全て実在するものなので、子どもたちがみんなで懐かしく、思い出を振り返りながら、宝探しをするような気持ちで、楽しみながら書いてくれたらいいな・・・という思いを込めて・・・娘の納得いく形に仕上げていきました。
そして、先日、それが六年生の息子のクラスでも配られ、娘の思いは的中! あっココわかった! コレはあそこや! と口々に大変盛り上がったそうです。卒業生が描いたとしか知らない担任の先生にも、娘の気持ちが通じたのか、嬉しいことに1時間枠を取ってじっくり子ども達に書くように指導して下さったそうです。
いい加減に穴埋めしただけでは8年後に見た時の感動が薄れると・・・何とも心ある先生の言葉に娘も一生懸命描いて良かったと嬉しそうにしていました。
もう少し詳しい様子を息子に聞くと、みんな色塗りまでして1時間では終わらないから次の日まで持ち越したとか・・・。嬉しい限りです。
確かに、絵を描くことが好きな娘にとっては自分が楽しむという部分はあるものの、それ以上に後輩たちのために妥協せず、大切に心を込めて描き上げたことで、絵を通じてみんなを喜ばすことが出来たと思いますし、またそれを後輩たちが大切に扱い、受け継いでいってくれることは本当に素晴らしいことだと思いました。
またこれを8年後・・・校長、担任の先生方もお招きして一緒に開封します。みんなどんな成人になっているのでしょうか?そんな人生の記念すべき日のお手伝いを娘が少しでも出来たことに嬉しく思うと共に感謝の気持ちが込み上げてきます。
次は、いよいよ娘が表紙を描かせて頂いた中学校の道徳の教科書がもうすぐ出来上がりますので、そのお話をさせて頂きたいと思います。