ブログ…弊社秘書・スタッフの随想・メッセージ・独り言・・・。
春という季節は、空気のぬくもりや、風や埃のにおいで感じるのも一つですが、ピンクやイエローなどパステルカラーに身を包んだ女性を見るとその季節を感じるものです。3~4人が並んで歩いているのを見ると華やかささえ感じます。
しかし、梅田界隈で、一時期よく目にするのが・・・・
黒いスーツ、首元までしっかりボタンを留めた白いブラウスやシャツ、A4サイズの書類がすっぽり収まる黒いショルダーバック、黒い髪を一つに後ろで結んだヘアスタイル・・・。
そう、就活に頑張る女性たちの姿です。
会社に昨年の6月からアルバイトで来ている大学生の女子がその就職戦線の真っただ中で、まさにその姿でしたので、色々参考までに聴いてみました。
そうしたら、就活の冊子のようなものがあるとのこと。
そこには、まさに就活女子のそのスーツ姿がそのまま掲載されているのだそうです。そして私が一番びっくりしたのが、一般職は、ブラウスのボタンを全部閉め、商社系は1つ開けるのだとか。そして証明写真を撮るときは、○○系は、アイラインとマスカラだけ、○○系は、マスカラだけなど、メイクまでマニュアル化されているそうです。
ということは、自分で考えなくても、その通りにすればその就活先の理想の姿で会社説明会や面接に挑むことができるということになります・・・。
私が、大学生の時ってどうだったろう、遠い昔を思い返してみると・・・
就職の面接に合格するためのマニュアルは当時もありましたが、今の様に具体的ではなかったような気がします。「明るいイメージで」「清潔感のある恰好で」「キチンとした服装で」などなど。それを具体化するのは、自分で考えなければななりませんでした。
キチンとした服装=スーツかワンピース。清潔感のある恰好=スカートは長すぎず、短すぎず。ヘアースタイルは、櫛が通っていて、前髪は分けるかあげるか。
だから、面接のときは、極端に派手な人はいなかったが、紺のワンピースの女子もいたし、シャネル風スーツの女子もいた。ただ、返事ははきはきと笑顔で、みなそれぞれに考えて、面接に挑んでいたような気がします。
今、私は人に教える立場となり、必ず伝えることがあります。
「仕事は考えてしなさい。言われたことだけしていてはだめですよ」と。
私自身がそれができているかと言われたら、完全ではないけれど、常に考えることは怠らないようにしています、それが社会人になるということだと思っているので。
で、はたと気づきました。
今や、この情報社会では、自分で考えなくてもそうやってよりよい答えが出るように導かれているから、考えなくても答えがそこにあるから、みな優秀なのだ。でも、公式から外れたり、考えたらわかりませんか?とういう質問に、そこまでは聞いていない。しなさいと言われていないという返事になるのだ、と。
いいとか悪いとかじゃなくて、そこまでしてもらおうと思ったら、そこまでをマニュアル化して示すよう、私たちが変わらなければならない時代なのかもしれない。
考えたら、私たちは現役を引退し、後輩たちに思いを託す年代なのだから。