ブログ…弊社秘書・スタッフの随想・メッセージ・独り言・・・。
子供のころ、夏休みの最大のイベント事が詰まった数日間。それがお盆でした。遠くの親戚の人が、ハイカラなお菓子のお土産を携え、帰ってくるのを心待ちにしていたものです。
車や人が数えるぐらいしか通らない名ばかりの国道は、車が何台も行き来し、昔の面影を残しつつあか抜けた人たちが歩いている。 見知った顔の人には、「元気だったぁッ!!久しぶりぃ!!、あの頃はさぁ、こんなんで、あんなんで~、そうだったっけ~、笑」
そんな何か心がうきうきするような数日間でした。
サービス業といわれる職種に常に携わる身としては、世間一般の「休日」というときに、率先して働くべき仕事であるので、私自身が帰省する事もほぼ皆無に近い状況となり、今では、待つ側ではなく、待たれる側になってしまいました。
「みんな帰ってくるんだから、あなたも帰ってきなさい」から、「先祖やおばあちゃんのお墓参りに来なさい」に最近は言葉も変わってきています。
そもそも「お盆」とは、祖先の霊を祀る一連の行事という事で、地方により、様々なご先祖様の迎え方があるようです。先日、父に朝早くから電話で「実家」ではどんなことを受け継いできているのか聞いてみました。
私の田舎では、14日の早朝、お墓に、きゅうり、なすびなど夏野菜を輪切りにしたものと生米にお茶を混ぜたものをお供えに行きます。
これは遠い天から来られるご先祖様がおなかをすかせてまずはお墓に来るので、腹ごしらえをしてもらうためだそう。(と父は言っていた)
そして、14日、15日は「松あかし」といって、家にご先祖様が来ている間、お墓をきれいにするために松の木をお墓で燃やすのだそうです。(と父は言っていた。迎え火とか送り火という意味合いではないそうだ。)
それに加えて、親戚の方がお亡くなりになり初盆となる今年は、13日の夕方に「高灯篭」という○○家や戒名を記した提灯を丈の長い木にくくり、家の前に立てるとの事。
これは、お葬式のいわゆる出棺の時に左回りで3回まわってからお墓に向かうそうで、霊がこちらの世界に帰ってこれないよう、迷わすためだそうです。
だから、お盆には、帰ってくるところはここですよと示してあげる目印だそうでこれを3年続けるのだそうです。(と父が言っていた。)
習慣、慣わしとは、地域・地方、によって解釈は違っているのでしょうが、そのような事を微塵も思わずはしゃいでいた子供のころが懐かしく思います。そんな慣習を知ってしまうと、「帰らないと」と強く思ってしまいます。
みんな、色々なしがらみの社会の中に身を置いているのだから、その時々に先祖を思いやってくれたらいいよと、両親は言ってくれるのですが、またそれに甘えてはや数年たっていることも事実。
自分が生まれたところの慣習を心にとどめて今度こそ、帰りますね、大阪のお土産いっぱいかかえて・・・。