ブログ…弊社秘書・スタッフの随想・メッセージ・独り言・・・。
最近の車のCMでの女優のセリフ・・・
「やわ肌の 熱き血潮に触れもみで さびしからずや 道を説く君」
与謝野晶子の歌集「みだれ髪」の一節です。
現代社会では使われない言葉・形容です。国家の存在が個人に大きく圧しかかっていた時代に、女性が素直な感情を表現すること、ましてや恋愛に関してなど許されない世相の中での創作ですが、時代を超えて、その言葉に込められた想いは、現代の女性にもストレートに届きます。
メタファー的修辞技法が光る与謝野晶子の歌ですが、日本語は曖昧さを好むと言われます。私もよくそれを活用させていただきますが、厳密には日本語を使う日本人がそうであり、日本社会が非直接的な曖昧さを潤滑油とするところがあるからでしょう。
言葉は、外形はそのままに、いつの間にか語源や語彙を飛び出し新しく創造されることがあります。近年そういう場面に出くわすこと頻りですが、その度に、年代を重ねた人間にとっては、「????」マークが頭の中で繰り返し生まれてくるのです。
調べてみると、そういう言葉が今では正しい使い方であるかのごとく、「―ともいう」と説明が加えられたりしています。
私は、常に思います。特に若い世代から発信されることが多いようですが、創られた新しい言葉や語意がどんどん広がり、世間一般に通用するようになったとき、それはもう間違いとは言えないけれど、しかし、正しいのではないと。
私たちは言葉で情報をお伝えする仕事をしています。当然、ビジネス的観点から、曖昧さを排除するために言葉を選択し、誤解なく正確に伝わる手法を駆使してお伝えするのですが、だからこそ、「間違いではない言葉」ではなく、「正しい言葉」を使うことを心がけたいと考えます。
そして、その言葉は、そこに込められている気持ちや思いを必ず伝えてくれると信じて。
たとえ実用ビジネス的であっても、どんな情熱溢れる文学作品よりも力を持つと信じて。