ブログ…弊社秘書・スタッフの随想・メッセージ・独り言・・・。
サクラが見ごろとなりました。
おだやかな気候だったこの休日に、満開に近いサクラの木の下で、ぼんやりと時間を過ごしました。仰ぎ見ると、一面ほのかな朱色におおわれ、その薄い花びらからの陽の光はどこまでも優しくて美しくて、ときに妖気を含んで、まるで別世界・・・春爛漫☆
願わくは 花の下にて 春死なん その如月の 望月のころ 【西行】
花は桜、如月(きさらぎ)は2月。しかし旧暦なので、今の暦より1ヶ月ほど早い。望月は満月。つまり、桜の満開の時期で、かつ満月の頃。今年はちょうど4月2日になるそうです。
平安末期の歌人西行の、その独自な歌風の極致ともいえるこの歌は、どこか私の心を引きつけます。北面の武士という身分を捨て、すがりついて制止する四歳の娘を廊下から蹴落として、それでも出家した彼。その出家理由は親友の死とも、ならぬ恋であったとも言われています。平清盛とも知己で、源平の盛衰と世の無常を、すぐ近くで目の当りにしたわけです。しかし、やはり僧侶?…『如月の望月』とはつまり、2月16日、お釈迦様の命日なのだとか。
想像する人物像に謎多き西行ですが、願いどおり、この句を詠んだ数年後の2月16日に逝去しました。享年73歳。サクラを愛して歌に表現しぬいた彼。その花の姿…美しさとハカナさ…に、この世と人間の真の姿を重ね合わせていたのかもしれません。
サクラが見ごろとなりました。 そして時は、3月から4月へと・・・