経済・経営に関する情報をご紹介するページです。
『アンドロイド』という言葉をよく耳にするようになりました。
急成長しているスマートフォン市場ですが、米国アップル社の『iPhone』の独走状態です。この影響も大きく、契約純増数実績ベースではソフトバンク社が今年の9月まで6カ月連続で首位という結果でした。そこで、この秋冬にモデルとして、NTTドコモ社とKDDI社は、新機種スマートフォンを発表しました。NTTドコモ社は、韓国サムスン電子社製の『GALAXY・S』を、KDDI社・auもシャープと共同開発した『ISO3』を販売予定で、このどちらの機種も、『Android/アンドロイド』を搭載しています。
アンドロイドとは、検索エンジン大手の米国Google社が、2007年11月に発表したスマートフォンやタブレットPCなどの携帯情報端末を主なターゲットとして開発されたプラットフォームです。基本ソフトは、ライセンス無料のオープンソースであるLinuxをベースとしています。ですから、今後、ゲーム・ツールなどのアプリと呼ばれるソフトも増えていくと予想されます。
また、NTTドコモ社とKDDI社の新機種スマートフォンは、iPhoneになかった『おサイフケータイ』や『ワンセグ』やフラッシュ対応といった機能が備わっているそうです。といってもまだまだ独走状態のiPhoneに、どれだけ追撃していけるかとのことですが、スマートフォン市場拡大は、ますます拍車がかかることだけは、間違いなさそうです。
いつでもどこでもビジネス対応可能という点、ビジネスマンの未来にとって、スマートフォンは目を離せない機器です。さて、携帯性を重視するということは、最低限の接続環境(PCや携帯情報端末、その上で動くブラウザ、インターネット接続環境)のみでビジネス可能となること、つまりそれは、クラウド・コンピューティングとの連携を前提としているということをも意味します。アンドロイドがJavaを標準言語として採用していることからもそれは窺えます。これが時代の流れでしょう。
2006年8月、Google社が米国で開催された検索エンジン戦略会議で、初めて『クラウドコンピューティング』を提唱しました。明確な定義はないようですが、ネットワーク・コンピューティング、ユーティリティコンピューティング、SaaS(必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウェア)などの要素を含み、さらにそれらを発展させたものと考えるということだそうで、まさにクラウド(雲)という言葉どおりなのかもしれません。
しかし、接続最小限の端末機器だけで、データやソフトはITのインフラがユーザーからクラウドプロバイダに移行するということは、利便性と相反する存在である安全性を、いかに確保していくかということが最大の問題になります。他への依存性が高まるということは業務運営自体の維持もその提供者の能力・信頼性次第になるということ。また、情報の盗難流出も管理不能になります。安全性こそがビジネスの未来を制することになるようです。もちろん、そこに採算性という大きなビジネスベクトルが加わることは言うまでもありませんが。
現に、インターネット上では、クラウドという言葉に頻繁に出合うようになっています。その規模や明確な境界は個々に拠るのでしょうが、安全性と採算性、その利便性とのバランスが、まさにクラウドの普及の分岐点となるのでしょう。しかし、漠然とした理想的なものであっても、最前線・ビジネス現場では、必ずどこかで現実的な着地点を決定しなければなりません。大きな人類の進歩という観点で、実は、アップルとグーグル、あるいは他社IT企業を交えての覇権競争に翻弄されていることなのかもしれませんが。
弊社もまた、お客様の情報を委託保有・管理する存在です。ある意味で、電話秘書代行のアナログ型クラウド化の一端とも言えるのかもしれません。お客様の利便性と安全性を追求して信頼される最善のサービスを提供させていただくこと、この使命を思う時、ビジネス機器最前線動向の研究を忘れず、連携をたえず模索しながら、未来に備えて足下をしっかり固めなければと、改めて身を引き締める次第です。