梅が満開です。

立春から１か月ほど過ぎて、やっと春らしさが見られるようになりました。百花に先駆けることから春告草の別名を持つ梅。今年もやっと暖かさが来たかと春光に包まれた花を眺めつつ改めて思ったのですが、私も含めて、梅の花と梅田が結びついている人はどれほどいるのだろうか？と。そもそも梅を冠する地名ですが…。私について言えば、まったく結びついていません。梅花というと、京都や奈良の寺社や梅林、大阪でも郊外の公園か少なくともまだ住宅地の庭が思い浮かぶ程度でしょうか。それほど梅田と梅は結びついていません。

もともとの地名「埋田」ではイメージが悪いので、江戸時代に「梅田」へ変更。そのことを考えると頷けるのですが、その「梅」という文字を採用した理由が、近隣の「露天神社（お初天神）」と「綱敷天神社」が梅にゆかりがあったからとのこと。梅に関係する神社といえば菅原道真・天満宮ですが、このどちらも天満宮ではなく、主たる御祭神は菅原道真公ではありません。ただ、菅公が九州・大宰府へ左遷される途中で立ち寄ったこの地で、見つけた梅で失意を詠んだ故事に因むようです。

そんな梅満開・春うららの中を歩いてみました。梅田には梅の字が溢れています。おそらく日本で一番溢れている街だろうと思います。しかし、梅田で梅の花に出合うことは、ほとんどありません。上記の二神社と末社以外では、歩き疲れて最後に行った大阪ステーションシティ（ＪＲ大阪駅ビル）の屋上ぐらいでしょうか。

梅の字がどこより溢れる梅田ですが、梅はほとんど見当たりません。
それでも今年、梅田にも春が来ました。
コロナの制限のない春が、やっと来ました。
長い冬だったかもしれません。