ブログ…弊社秘書・スタッフの随想・メッセージ・独り言・・・。
有終の美…この色彩を見て浮かんだ言葉でした。
秋というよりもう冬の気配ですが、毎年この時期は紅葉に魅せられます。
真っ赤に燃えるモミジの紅葉、黄色あざやかなイチョウの黄葉、暖色のケヤキ、ナンキンハゼやモミジバフウのようにカラフルに多色彩を表現するもの…。それぞれに良さがありますが、その年の気候も大きく影響します。夏の暑さがいつまで続くのか?寒さの到来の早さ遅さは?またそのペースや寒暖差の度合いは?、それらによって色彩やグラデーションの美しさが変わってきます。また、その年々にそれぞれの違いと表情があります。
毎年この時期は、紅葉を求めて京都・奈良・兵庫・大阪…と関西一円を訪れてきました。思い起こすと、その土地や木の種類に限らず、心に残るその年の紅葉がありました。もちろん出合いですので、偶然の要素大きく、訪れた土地や人々や環境や天候や私のその時の状況や気持ちにも大きく左右されるもの。では、今年の心に残った紅葉は?というと、それが最初に掲げた写真のサクラです。
有終の美を飾る…中国古代の『詩経』を原典とするとのことです。「初め有らざるなし 克(よ)く終わり有る鮮(すくな)し」、つまり、初めは志高く立派な者は多いが、終わりまでキチンとやり遂げる者は少ない。現在では、高い技能や価値のまま美しく終わるという意味に使われています。
このサクラは実は観光地のものではありません。自宅横の公園にあるものです。肌寒い頃の蕾が桜花爛漫の春の盛りとなり、やがて芽吹いた若葉からこの1年ずっと見続けてきたサクラです。最後に生命の限りを尽くし輝き放ったような見事な多彩な色調。こんな深くて美しい紅葉を、私は初めて見た気がしました。おそらく毎年見ていたはずですが…。
今年もあと1カ月。1年のゴールも間近。自分自身を振り返った時、はて、この1年の有終の美を飾れるのだろうか・と、つい自戒。自然からも教えられます。
このサクラの紅葉たちは、撮影から3・4日後にすべて散っていきました。