ブログ…弊社秘書・スタッフの随想・メッセージ・独り言・・・。
4,5年前になるだろうか、軽井沢に1泊で長距離ドライブに行く計画を立てた。
宿泊先は、ちょっと奮発して老舗のホテルで、と「万平ホテル」を予約した。
バリトン(って今も言うのかな・・)の耳に心地いい声で、「かしこまりました、心よりお待ち申し上げております」と丁寧に歓迎してくれた。 ひとつだけ、こちらから伝えた事は、「アレルギーを持っているので、食事は結構です。」と伝えた。
またそれにも「さようでございますか、ではそのように承ります」と美しい日本語で言葉を返してくれた。
至極当然の事なんだけど、やはり美しい日本語での受け答えはいいなと感じた。
そして、もうひとつ、次の日にホテルのレストランマネージャーから電話が入った。
「アレルギーをおもちだとうかがいました。さしつかえなければ 何のアレルギーをお持ちかお聞かせ頂けますか、出来る範囲ではございますが、当ホテルで食事を召しあがっていただけるよう、調理をさせていただきたいと思いますが。」
そして私、「ありがとうございます。実は・・・」
結局、仕事の関係で10日ほど前に、私オリジナル?の食事もサービスも受けることなく長距離ドライブはなくなった・・・。
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今、なぜこのことを書いてみようと思ったか、最近「サービスの範囲」とは? 「サービスの定義」って? と悩む事がある。 そして、思い出した事柄が、老舗ホテルの対応だった。
一人のフロントマンに対して、何十人というお客様、しかしお客様からしてみれば、1対1でのやり取り。だって、そのサービスに対して私たちは、対価を支払うのだから。 そしてそのお客様のご要望にこたえる事がサービスの基本であり、定義であると思う。 では、どんなご要望でもこたえなければいけないのか、このぐらいならいいかな?というあいまいな中でしていいのか?
私は、考えるサービスとは、最低限のモラルをベースに自由というのが存在するように、決められた範囲の中で、いかに相手側の満足のパーセンテージを上げるか、行為そのものは、要望を半分も満たすことはできなくても、心からのおもてなし、心からの美しい言葉で、誠心誠意接する事が出来たかどうかによって、そのパーセンテージは上がり、100パーセントに満たなくても、ありがとうという言葉をお客様から頂いた時に、初めて自分がお客様にサービスの提供ができたと言えるのではないかと。
私は、今、サービス業という大きなくくりの中での仕事をさせて頂いている。 思いは強くても、なかなかお客様の感謝の言葉や、また、満足のいく対応をさせて頂いているかは、はなはだ疑問ではある。
そして、そのサービスというものを、人に教えていかなけらばならない立場になった時、言葉ばかりではなく、笑顔、態度で示していけたらいいなと思っている。