ブログ…弊社秘書・スタッフの随想・メッセージ・独り言・・・。
街はクリスマス・イルミネーション華やかに、2011年もいよいよ最後の週を迎えました。 今年は東日本が大災害に見舞われました。 そして、復興までの道のりはまだまだ遠く被災者の皆様には今なお大変ご苦労な日々をお過ごしのことと聞きます。 改めまして、謹んでお見舞い申し上げます。
過去数百年にわたって蓄積されたプレートエネルギーが、一気に放出された地震とのことで、まさに歴史的な大災害でした。 それに加えて原子力による災害。 それらは人間の支配を超えた大きな力。 自然の摂理は、恵みの神であると同時に、荒ぶる神でもあることを私たちに知らしめました。
来年2012年は、古事記が編纂されて1300年を迎えるそうです。 神代のこと、荒ぶる神スサノヲノミコトは高天原で粗暴な行為をしたため、天照大神が天の岩屋に隠れました。 そのためスサノヲノミコトは葦原中つ国へ追放されてしまいます。 その天降った場所が、出雲国の肥河上流の鳥髪の地(船通山)。 そこでスサノヲノミコトは、人々を苦しめていたヤマタノオロチを退治して、生贄の標的にされていたクシナダ姫を助けます。 ヤマタノオロチの尾から出てきたのが皇室三種の神器である草薙(くさなぎ)の剣、クシダヒメを妻とし居を構えた出雲の地、そこで生まれた子孫オオクニヌシ… と神話は繰り広げられてまいります。
古事記を編纂した太安萬侶は、序文に次のように記しています。
「上古之時 言意並朴 敷文構句 於字即難…」
(上古の時代は言葉も意味も素朴で、文章や語句を漢字で書き表すことは困難でした…)
文字を持たなかった日本人が、各地域や氏族の語部たちのヤマト言葉による口誦で受け継がれてきた神話。 帝紀・旧辞として中国伝来の漢字による漢文体で表現されていましたが、それは氏族ごとの思惑で歪められる部分も多く、違い乱れていました。 それらを取捨選択して正した上で、ヤマト言葉の響きをそのまま表現すべく音訓表記を創りだし、国家統一的に文字化・編纂していく作業の困難と苦労を物語っています。
その内容も洗練され、手段も高度に進化して便利になりましたが、現在でもコミュニケーションというものの難しさは、どこか変わらないように見受けられます。 その点で、古事記編纂1300年を迎え、言葉や文字や伝達手段を見つめ直すことは、きっと意義深いことに違いありません。 また今年は被災された方々のことを思うと、つらい一年でした。 来年こそは、すべての人にとって明るい年になりますよう祈念してやみません。 古代へのロマンと未来への夢と希望に想いを馳せつつ、弊社もコミュニケーションを通じて、今という時代を生き抜く皆様のお役に立つことができれば、そしてそれが、社会貢献の一端を少しでも担うことになればと、例年以上に強く願う次第です。
数々の出会いと別れの中で、今年も多くの方々にお世話になりましたこと、感謝の念に堪えません。 どうぞ良いお年をお迎え下さい。 この一年、誠にありがとうございました。