ブログ…弊社秘書・スタッフの随想・メッセージ・独り言・・・。
母の日、故郷の出雲に帰ってきました。
子供の頃、境内でよく遊んだ出雲大社は、現在、平成の大遷宮で賑わっていました。地元では、「もう見に行った」という言葉があいさつ代わりになるほどで、あちらこちらで聞かれます。
遷宮は、2000年の歴史を持つ出雲大社にとって、約60年に一度の大行事です。御祭神である大国主神を仮の住まいである御仮殿に遷して、本殿(国宝)を修造するものです。その留守の間に、普段観ることが出来ない本殿が神秘のベールを脱ぎ、一般に公開されます。
早朝、八雲山から湧いた朝霧の中に建つ出雲大社は神秘的。間近で見る本殿は、素朴ですが気高く神々しい…。身なりを整え広い境内を進み、特別拝観の記帳をして、いざ本殿へと。
昔と変わらぬ景色に、いつしか心が子供の頃の自分に…
本殿の廊下には、拝観者から建物を保護するために、新しい竹が添えられていました。『大社造り』と呼ばれる日本最古の神社建築様式で、その高さは24メートル。まるでビルの2階から見ているような眺めは、2000年の歴史の重みと相まって感激でした。しかし以前は、この出雲大社本殿は今の2倍の高さがあり、東大寺大仏殿すら超える、日本一高い巨大建築物だったそうです。さらに古代においては、なんと100メートル近い建物だったそうです。
天井には7つの雲が描かれていました。大きな雲が1つ、そして小さい雲が6つ…それぞれがブルーとオレンジとホワイトで色鮮やかに彩られていました。まるで現代アートを思わせるかのように斬新です。特別拝観証には、その絵が採用されていました。
『八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を』 (スサノオノミコト)
神話で、ヤマタノオロチを退治したスサノオノミコトが、助けた姫をめとり、幸せの中で新居を構えた出雲の地をこう詠ったとされています。
天井絵はこれをもとに描かれたとか。すでに記しましたように、出雲大社を抱きその背景にそびえるのは八雲山。そしてやがて後世の和歌の世界では、『八雲立つ』は『出雲』の枕詞に。
ところで、もうお気づきでしょうが、八雲のはずが天井絵の雲は7つしかありません。説明では確か、もう一つの雲は自分の心の中に描くとのことでした。また、絵には、空白部分・配置・配色・逆向きの1雲と、秘められた点が多いとのことでした。どこか含蓄ある古代の人々の思想に接することで、私は感動をまた新たに致しました。
子供の頃から私をそっと見守ってくれている出雲大社。
今回、母の日にプレゼントを持って帰郷した私に、ふるさと出雲は大きなプレゼントを用意してくれました。
皆様もどうぞ時間がありましたら、是非出雲にいらして下さい。
次回の公開は、8月1日~8月17日だそうです。