ブログ…弊社秘書・スタッフの随想・メッセージ・独り言・・・。
寒さが続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
滋賀県・湖西の近江今津まで行く機会がありました。ちょうどその日は、雪がチラつくほどの寒い一日。それでも大阪から京都までの間は、積雪らしきものを見ることはありませんでした。
『え~っと、一番最後に雪を見たのは、いつだったっけ?』…と考え込むほど、ここ大阪では近年雪が積もることが珍しくなったように思います。
列車が湖西線に入り、京都から北陸方面に向かうと、状況はいっぺんに変わります。車窓からの景色は、それはもう一駅ごとに積雪量が増して、黒い地面はだんだん少なくなり、しばらくすると一面が白銀世界に包まれました。ときおり空が暗くなって吹雪き、視界が遮られます。
京都から約50分、近江今津に着くと、もう20センチメートルほどの雪が積もっていました。長靴がないと歩行困難(><)…しかも湖国特有らしいのですが、晴れたかと思うとすぐ曇り、そして雪になるという変わりやすい天気。普段なら駅からすぐの琵琶湖岸に、すべって転ばぬようにおっかなびっくり雪を踏みしめながら出てみると、遠くに竹生島が望めました。
浜辺をおおった純白の雪と黒い湖面、そして空に交錯する青い空と雪をもたらす暗雲。遠くの夕陽を映した仄かな朱色がそれらに加担して、とても不気味な世界を現出していました。誰もいない寒くて薄暗い無彩色の世界…知らぬ間に人を引き込んでいきそうで、とても怖くなりました。
付近には歌が流れていました。歌の発信地は『琵琶湖周航の歌資料館』という市営の施設でした。近江今津は、この歌が創られた土地だそうです。そこで知ったのですが、この情感溢れる名曲の作詞者も作曲者も大正初期に、20代半ばの若さでこの世を去ったそうです。
この時期の琵琶湖の風景は、そのおおらかでゆったりした抒情詩を楽しむには程遠い世界でしたが、次回は夏、それもこの歌が一番似合いそうな初夏に、必ずまたここを訪れてみようと、私は思いました。