ブログ…弊社秘書・スタッフの随想・メッセージ・独り言・・・。
風に揺らめくカーテンのように、ふんわり柔らかい記憶を内側に包み込んでいるフレンチトースト。
おやつに母が焼いてくれた、優しく甘い味。
受験勉強のとき、部活で疲れて帰ったとき、そっと出してくれた母の特製フレンチトースト。
牛乳、メイプルシロップ、バニラエッセンスを溶き混ぜた卵液に厚切りトーストを丸1昼夜漬け込み、低めのオーブンで全面に焼き色がつくまで、じっくり、ふっくら焼き上げるのが母のフレンチトーストだ。昔、近くに住んでいた外国の方に教えてもらったと聞いた事がある。
ナイフとフォークを差し込んだ瞬間の、さくっとした感触から、昨夜から丁寧に手間をかけてくれたことがジンワリと伝わってくる。薄くバターを塗って蜂蜜を添えて出されるソレは、ほんのり甘く、プルンとした食感はまるで焼きプリンのようだった。
口にするたびワクワクして、心がほんわかした事を昨日のように思い出す。
妹の娘たちが、うれしそうにフレンチトーストを頬張っているのを見ると、甘い舌の記憶はこうして紡がれて行くのだなと少し嬉しくなってしまう。