ブログ…弊社秘書・スタッフの随想・メッセージ・独り言・・・。
気ままに散策を楽しみました。郊外の山あいまで。空気は冷たくて、どこまでも透きとおってキレイ。この数日で急に寒くなり、季節は一挙に秋から冬へと移ったかのようです。
田園が広がる風景、ところどころが紅葉で赤や黄に色づいています。ときおり遠くにカラスの鳴き声が聞こえます。田んぼには、稲の白い切り株から新しい緑の葉がいっぱい顔をのぞかせていました。どこかで野焼をしているのでしょうか、くすぼった匂いとほのかな煙が辺りを包んでいます。
西の山斜面に大きな柿の木を見つけました。枝が大きく広がってとても立派な木です。柿の実がところどころになっています。おばあさんが良くオレンジ色に熟した柿をいくつかもぎとって、かごに入れて行きました。
やがてその向こうの西の空に、太陽がストンと沈みました。それからしばらくの間、その柿の木は、自然界の光と影の美しいシルエットを見せてくれたのでした。微妙に色調が変化していく空を背景として、張りめぐらされた末端の枝々の繊細さに見とれているうちに、そのシルエットはだんだん深みを増して、やがて暗影一色にとけていきました。
のどかで静かな晩秋、里山の風景。わたしはコートの襟を立てて、家路につきました。