ブログ…弊社秘書・スタッフの随想・メッセージ・独り言・・・。
日中の暑さの盛りを大阪のコンクリート街で過ごし、仕事を終えてそのまま奈良公園へと足を伸ばしました。奈良駅に到着した時には、日も落ちてもう暗くなっていましたが、とても多くの人出で混雑して、改札を抜けるのに5分もかかりました。その群集と共に、暗闇を東へゾロゾロと。しばらく歩くと大仏殿前あたりの浮雲園地会場が望め、眼前の光景に息を呑みました。広大な奈良公園の芝生に何千何万というロウソクの灯りが整然と並べられていました。
『なら燈花会』というこの行事は、1999年から始まったそうです。夏のこのお盆の時期に10日間だけ、闇の中に、それはそれは幻想的な世界を創り出して、日常の炎暑に疲れた私たちの心を非日常の別世界へと誘(いざな)い、納涼と安らぎを与えてくれます。
『燈花』とは灯心の先にできる花の形をしたカタマリのことで、これができると縁起が良いと言われているそうです。チラチラと揺らぐロウソクの光はどこか人の心を捉えるのでしょう、また、その数限りなく広がる景色の壮大さに、多くの人々が腰を下ろしてぼんやりと見入っていました。私もしばらくその場に座り込んでから、せっかくの機会でしたので大仏殿の万燈供養会、春日大社の万燈籠と巡ってみました。
もうかなり遅い時間だというのに、大阪へ向う帰りの電車は通勤ラッシュ並みの混み具合でした。お盆のこの時期、徳島では阿波おどりがちょうど今ピークとか。先日見た夏祭りでも華々しく花火が打ち上がり、ひしめき合った人々は鳴り物とお囃子に合わせて激しく踊っていたことを思い出しました。まるでその一瞬に命を燃やすかのように、狂ったかのように。
静と動…確かに、今年の夏はいま通り過ぎていきます。